■ 分解整備実施 パイオニア ランナウェイ SK-900

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■ 分解整備実施 パイオニア ランナウェイ SK-900商品説明ご覧いただきありがとうございます。
写真のとおり パイオニア ランナウェイ SK-900 を出品します。

実家のSK-900をフルメンテしたことに始まり、今回は14台目となる個体をメンテしました。

(1) カセットデッキ部
ベルトは未だ使えましたが経たっていますので交換しました。SK-900のデッキは頑丈なのですがグリスの経年劣化がよろしくなく殆どがベタついて動作を妨げています。今回もこれを無水アルコールで徹底的に取り除き新たに柔らかめの油で潤滑をとって復活させました。120分テープも噛みこまず安定しています。

SK-900のデッキ部のメンテは分解からして極めて面倒で、背面パネルはもちろん前面パネルと基板類を全て外さないとデッキにたどり着きません。基板3枚、コネクタが11個あってそれらを全て外して奥まったデッキにたどり着きます。そしてメンテをして元通りに組み上げて完了と言いたいところですが、このデッキは単に組み上げてもそのままでは動作せず、歯車機構の位置合わせをする必要があります。これが非常に難儀でして・・・

動作確認をするためには先の分解を全て復旧しなけらばならず、歯車調整はこれを何度もする必要があります。モータ速度の調整も同じです。普通のデッキはオシロを見ながらモータ速度を調節すればよいのですが、SK-900は調整するとなるとデッキが見えるところまで分解し調節ネジを僅かに回して全部復旧したうえでオシロで確認。±を調整するにはこれを10回くらい繰り返すことになります (;;) おまけに内部はメンテを全く想定していないようで、基板間の配線に曲げに弱い固体の線が使われています。これも対策をしてから作業をしないと断線してどこが具合が悪いのか見分けがつかなくなります。

このデッキは特定の歯車に必ずひびが入って割れますので、これを樹脂で固めて補強しました。ひびは放置すると巻き戻しと早送りができなくなります。

最終調整は私の所有機でありますCR-70 (定期的にナカミチIDKでメンテをしていました) で作成しました440Hz 0dBのテストテープを使ってアジマスと再生レベルを合わせています。
同時にSONY HE-4を使ってヘッド消磁を行いました。ミラーカセットテープを使ってテープ走行の安定を目視確認しています。

ダイレクト選曲、ドルビー、1曲リピート、テープリピート、メタルテープの使用、ミュート動作、AUTO/手動録音 正常です。
しかし、タイマー録音について不調なようです。(これを使うことはないと思いますが為念)

BIAS回路に不具合がありましたので部品交換して復旧しました。

今回特筆すべきは、この個体は「AUTO録音のレベルが適正」であることです。現代に残るSK-900はほぼ全てがAUTOでレベルが低くマニュアル録音で回避することになるのですが、本機はこれが正常です。私個人としてはAUTOレベル調整はレベルが本来のソースから変わってしまうのでマニュアルしか使いませんが、手軽にサッと録音する際はやはり便利ですね。そもそも電子回路が元気というのは嬉しいです。

あと、今回のデッキは後期モデルでありオートストップ機構の改善がされています。前期モデルはオートストップ時にメカ負担がきつく、この機能が使えなくなるまでの期間が短いです。そもそもとしてベルトへの負担が大きいメカ式のオートストップ機構はできる限り使わない方が良いですが、メーカーもここは対策しています。


(2) ラジオ部
AM/FM共にクリアな音で鳴ります。SK-900の特徴であるFM受信での →・← のインジケータ表示も正常です。
AM/FMともに受信周波数の調整を行いましたので放送局と一致します。

(3) ライン入力部
外部入力としてAUXにMDデッキから入力してクリアな音で鳴ることを確認しました。
入力時にレベルメータが低く触れますが、音量は適正で録音・再生レベルも適正です。

(4) アンプ・イコライザー部
カセット、ラジオ、ライン入力ともにきれいに鳴ります。
メインとイコライザーのボリューム(VR)も健全です。
SK-900のイコライザーは内部にプラスチックの溶着が使われており、これが経年劣化で壊れるます。今回もこれを全て分解して復旧、電気的にすべてチェックして復元しました。これは6チャンネルありまして (;;)

(5) 外装
40年前の品ですので使用に伴う小傷や色褪せはありますが、スピーカネットに錆なくきれいと思いましたので今回は再塗装せずにオリジナルのままとしています。


テストの動画をアップしました。 (カメラのAF動作音が耳障りなのはご容赦ください)
→ テスト状況 SK-900 Test 1
→ テスト状況 SK-900 Test 2

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SK-900は非常にコストのかかった造りで安っぽさが無く、二度と作られることのない美しいデザインが秀逸です。使われているメッキも明らかに他機種より厚くて品質が良いです。特筆すべきは何と言ってもスピーカーの正面で聞く音の拡がりと言いましょうか、掛け値なしに素晴らしいと思います。劣化部品を新調したり分解塗装したりと、延べ1週間くらいかけて整備してタイマー録音以外に宿題はないと思います。
今回はドナー機3台を使ったうえに徹底的に整備をしましたのでスタート価格は低くないですが、40年前の品の動作としてご満足いただける
お近くの方は実機を確認いただいての検討も結構ですので、質問欄へお願いします。
なお、お決まりですが古いアナログ製品ですので「電源が入らない」「ラジオとカセット再生で音が出ない」場合に限り返品を受け付けます。それ以外の責は免責でお願いいたします。(これまでにそのようなことは一度も起こっていないですが為念です)


検討を宜しくお願いします。

☆☆☆
もし同機種をお使いの方でご相談がありましたら質問欄へどうぞ。
ただしSK-900の整備は上記のように大変で、1台整備するとしばらくは次の個体に取り掛かる気力がなくなりますのでそこはご相談にて (^^;

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